カレントについて学ぶことは、サーファーにとって必要不可欠です。正しい知識と対処法を知っておくことで、『万が一』のときに冷静に対応できます。
カレントは、時として人の命を奪います。
カレントに流された時に、一番大事なことは?
カレントに流されたときに一番重要なことは、『冷静さを保つこと』です。
パニックに陥ることは、絶対に避けなければなりません。パニックになってカレントに逆らって泳いでも、無駄な体力を消費するだけです。
そのほかにできることは?
同様に大事なことは、『他人に助けを求めること』です。
まずい!と感じたら、自分の状況を大声で他のサーファーに知らせましょう。いっときの恥を捨てて、大声で叫んでください。
声が届かない状況であれば、サーフボードを宙に抱えて横に大きく振りましょう。
自分の存在を他のサーファーに認知してもらえれば、最悪の事態を避けることができます。
流された時にすぐにやるべきことは?
カレント(離岸流)に流されたときに、すぐにやるべき対処法は、以下の二つです。
- 冷静さを保つ
- 他のサーファーに自分の存在を知らせる
この二つの対処法を、最悪の事態に陥る前にできたかどうかで『命が助かるか』が決まります。
カレントの種類
カレントには大きく分けて2種類あります。それぞれのカレントの性質を理解することで、万が一の際に冷静に対応することができます。
- 離岸流(リップ・カレント)
- 平岸流(サイド・カレント)
リップカレント(離岸流)の特徴
最も危険性が高いカレントが、『離岸流』です。離岸流とは、岸から沖に向かっていく強い流れのことです。
どうして離岸流が危険なの?
沖に流されてしまうと、誰かに見つけてもらうのは非常に困難になります。そうなってしまう前に誰かに知らせる必要があります。前述したように、身の危険を感じたら大きな声で他のサーファーに状況を伝えましょう。
リップカレント対策と流された時の対処法
- 人に知らせる
- 離岸流に逆らわない
- 焦らない
- 持続的なパドリングを心がける
離岸流は、川のように沖へと流れていきます。離岸流に逆らって岸に向かって泳ぐのは、大きな間違いです。無駄に体力を消耗し最悪の場合、力尽きてしまいます。
焦らずに冷静に、『離岸流』から抜け出ることが最優先です。
下の図をご覧ください。
離岸流に対してどうやって泳げばいい?
離岸流とは、イラストのように沖に向かって強い流れが発生しています。
流れに対して逆らうのではなく、横方向へ泳いでください。そうすることで離岸流から抜け出ることができます。
この時に大事なのは、体力を維持するパドリングを心がけることです。全力で漕ぐのではなく、確実にパドルをし続けることが重要です。
サイドカレント(平岸流)の特徴
平岸流とは、岸に沿って流れるカレントのことです。
横方向へ移動するカレントですが、甘くみると大きな事故につながります。平岸流がそのまま離岸流へとつながることも多々あります。
どんな状況の時に気をつけるべき?
特にテトラポットや岩場などに囲まれているサーフスポットの場合、注意が必要なカレントです。
サイドカレント対策と流された時の対処法
入水時に陸に目印になる場所を見つけて、流されていないか常に確認することが大事です。万が一、流されていたら早めに対応しましょう。
流れに対して、逆らって泳いではいけません。一旦、陸に上がるのが最善策です。
サイドカレントを甘く見ないことが大事・・・
場所によっては、離岸流と組み合わさっている場所もあります。岸に向かって泳いでも一向に進まない場合は、横方向へパドルしましょう。
カレントに流され漂流した時の対処法
万が一漂流してしまった場合に、もっとも重要なのは、『体力をいかに消耗せずに救助を待つか』です。完全に漂流してしまった状態でパドルを続けることは、高い危険性があります。
気をつけるべきことは?
漂流中は、真夏でも『低体温症』になる可能性は十分あります。体と海水の接する面をできるだけ減らし、体の保温を心がける必要があります。
まとめ
サーファーであれば誰もが、『知らない間に流されていた経験』があると思います。
波待ちのラインナップに戻れないことは、比較的よくあることです。
初心者の頃は、経験者と一緒に入水することをお勧めします。異常事態に仲間が気がつけば、万が一のことがあっても助かる確率が大きく上がります。
どんなに波が良かったとしても、『誰一人入っていないサーフスポット』に一人で入水するのは非常に危険です。必ず複数人で入水しましょう(混雑しているサーフスポットに集団入水をするのは避けてください)。
初めてのサーフスポットの場合は、ローカルの人に注意点を聞くことも大事なことです。どんなに穏やかな海であったとしても、油断は禁物です。
海は自然です。自然の力を甘くみると、痛いしっぺ返しが待っています。
決して油断せず、自然を尊敬しながらサーフィンを楽しみましょう。