今回の記事は、オルタナティブボードの特集です。
オルタナティブボードを簡単に説明すると、『パフォーマンスショートボードでもロングボードでもない板』のことです。
オルタナティブの意味を辞書で引くと、このように出てきます。
Alternative(オルタナティブ)の意味
代わりとなる、代わりの。伝統的方法を取らない、新しい。
Available as another possibillity or Choice.relating to activities that depart from or challenge traditional norms.
いままでの既存シェイプの代わりになる、一線を画したデザインのサーフボードこそがオルタナ系サーフボードと呼ぶことができます。
例えばどんなサーフボードがオルタナ系?
オルタナティブボードの代表としてあげられるのが、『フィッシュ』や『シモンズ』と呼ばれるサーフボードになります。
ショートかロングかの二者択一だった時代に登場したのが、オルタナ系のサーフボードだったのです。
オルタナ系のサーフボードが誕生したことは、非常に自然な流れだと言えます。サーフィンの歴史は常に、オルタナティブの発想に先導されるかのように変化していきます。
ロングボードから、ショートボードが誕生した時。
シングルフィンから、ツインフィンが誕生した時。
このように、『新しい代わりになるなにか』がサーフィンの歴史を作ってきているのです。
自由に幅広く選択肢があることで、サーファーたちは波乗りをもっと楽しむことができるようになりました。
誰がオルタナティブボードを作っているの?
現在では様々なシェイパーが、自由な発想のもとでオルタナティブボードをシェイプしています。
オルタナティブボードを乗りこなすサーファーの姿は、非常に格好いいです。
こちらの動画は、オルタナボードに乗る金尾レオさんのサーフィンです。サーフィンを純粋に楽しみながらオルタナボードを乗りこなす、最高にスタイリッシュな彼のスタイルは必見です。
オルタナティブボードの種類
オルタナティブボードの定義ですが、必ずしも決まったルールは存在しません。
シェイパーは自由に、『楽しく波に乗るための道具』を削っているだけです。
『代わりになるなにか』を常に追い求めるシェイパーが、サーフボードの未来を作って行くのです。
オルタナボードに欠点はないの?
それぞれのサーフボードには利点や欠点があり、万能なものを探すことは難しいでしょう。しかし、それこそがオルタナティブボードの醍醐味とも言うことができます。
完璧なサーフボードを求めるのではなく、『自由に作られた遊び道具』がオルタナティブボードなのではないでしょうか。
この項では、オルタナティブボードの代表的な種類をピックアップしました。
フィッシュ系サーフボード
オルタナティブの代表としてあげられるのが『フィッシュ系サーフボード』です。
フィッシュ系のジャンルは、様々な個性があるサーフボードにあふれています。厚みのあるレトロのフィッシュやテールの形状が絞られたものなど、挙げ出したら切りがありません。
元々はニーボード用の板として作られたのが定説で、その後サーフボードとして発展を遂げてきました。
フィッシュは、ロングボードのようにグライド感があり、ショートボードに負けない運動性能を持っています。小波から大波まで、フィッシュ系のサーフボードの可能性はとどまることを知りません。
どんなサーフィンができるの?
世界のトップサーファーが、フィッシュ系のサーフボードに乗っている動画をご覧ください。
見事なまでにスタイリッシュに乗りこなしています。この動画内で登場しているフィッシュはレールが薄く、どちらかと言えばモダンなシェイプです。
それでもオルタナティブボードらしさが全開に出ていて、見ていてとても楽しくなります。
シモンズ系サーフボード
フィッシュと同様に、オルタナティブボードとして有名なのが『シモンズ系サーフボード』です。
どんな特徴があるの?
テール部分をまっすぐに切り落としているのが、シモンズの特徴的なシェイプになります。
テール部分にたくさんのボリューム(浮力)を確保しているため、ロングボードのようなグライド感を得ることができます。
パフォーマンス型のショートボード に比べると動きにくくなりますが、技術のあるサーファーであれば容易に乗りこなすことが可能です。
アシンメトリーサーフボード
アシンメトリーのサーフボードも、『オルタナティブ』と呼ぶことができます。実は長い歴史があるのが、アシンメトリーのサーフボードです。
『既存のものの代わりになる何か』と考えれば、まさに『オルタナティブボード』と呼ぶことができるのではないでしょうか。
フィッシュとシモンズがレトロ系なのだとすれば、アシンメトリーは『異色なオルタナティブボード』です。
自分自身は、アシンメトリーのサーフボードに乗ったことがないのですが、近いうちにぜひ試してみたいと考えています。
オルタナティブボードの選び方
オルタナティブボードは、自由に選ぶべきです。
選ぶ際の注意点は?
オルタナティブボードに、『多めの浮力』があることが大前提です。長さが短いからと言う理由で、パフォーマンスボードと同じ浮力を選ぶのはオススメできません。
オルタナボードを選ぶときは、『適正浮力』という言葉を忘れてください。
どうして適正浮力を気にしないでいいの?
適正浮力というのは、サーフボードメーカーが作り出した『パフォーマンス型サーフボード選び』のための数値でしかないからです。
浮力過多のオルタナボードを選べば、グライド感があるぶっ飛んだスピードで『ダウンザライン』を描くことができるはずです。
まとめ
『オルタナティブはこうでなければダメ』と決めつけてしまうのはよくありません。
自由な発想の元で削り出したサーフボードは、乗り手にも柔軟な考えが求められます。教科書通りの動きをしているだけでは、オルタナティブボードの本領は発揮されません。
自由に、波乗りを楽しむ。
そんな姿勢でいられたら、オルタナティブボードの力が発揮されるはずです。
自由なサーフィンをやりたいと感じたら、迷わずオルタナティブボードを選んでみてください。知らないうちに、自分だけの格好いいサーフィンのスタイルが確立されること間違いなしです。