シングルフィンを選ぶときの一般論でこんなものがあります。
- 6フィートのサーフボードには6インチのフィン
- 7フィートのサーフボードには7インチのフィン
- 8フィートのサーフボードには8インチのフィン
これだけを鵜呑みにしてしまうと、サーフボードの性能を大きく下げてしまう可能性があります。
この一般論はあくまでも目安であり、即決する前にサーフボードの形状やシングルフィンの形状をよく考えてから選ぶ必要があると思うのです(乗り手の体重と脚力もです)。
どういう風に?
結論から先に言えば、自分の場合は以下のような点に注意して、シングルフィンの長さを決めていきます。
- 短くてレールが薄めの板は長めのシングルフィンを選ぶ(フィンベースは短め)
- 分厚い板やミッドレングスには同サイズかやや大きめのもの(上記のルールに従う)
- 板の長さの数字より短いフィンは選ばない
- サイドフィンがある場合は1インチ短くする(フィンの形状を考察してから)
どんなふうに性能が変わる?
シングルフィンサーフボードの性能の一つに、『安定性』があります。
シングルフィンについて調べると、
- シングルフィンは一番安定性がある
- シングルフィンはトライフィンよりも不安定
このように、明らかに反対の意見が見つかります。結論から言えばどちらもが真実なのですが、意見が分かれてしまう理由は先述した、『サーフボードの長さを基準としたシングルフィンの選び方』にあります。
どういうこと?
レールの厚さや乗る人の体重を無視して、最初に書いた一般論だけを参考にしてしまうと、不安定にもなるし、安定した板にもなり得るということです。
シングルフィンの長さを決める方法
自分の持っているサーフボードを例えに、説明していきます。
持っているサーフボードは、6’4フットです。先述した一般的なルールに合わせると、6から6’5インチのシングルフィンを選ぶのが通常です。
結論から言えば、このサーフボードに対して6インチのフィンは短かすぎました(自分は体重が重めで脚力も強い方です)。
実際に使っているフィンの長さは?
現在はそのルールを一切無視して、6’4のサーフボードに対しては9インチのシングルフィンを付けています(下の写真が自分の板です)。
デカ過ぎない?
フィンが大きすぎるように思えるかもしれませんが、実際に乗ってみるとそんなことはありませんでした。短いフィンを使っていたときよりも安定性が増し、確実にサーフボードの性能を引き出してくれるようになったのです。
もちろん、人によって体重や脚力が違いますし、必ずしも自分と同じセッティングが正解であるとは限りません。短めのフィンの方が適しているサーファーだって、もちろんいると思うのです。
一般論に捉われ過ぎないようにしながら、いろいろと試してみてください。
フィンの形状を把握して長さを決めていく
自分の使っているフィンの形状は、下の写真のようにベースが細く先が尖っています。このような形状の場合、必ずしも一般論が当てはまるとは限りません。
それに加えて、現在のシングルフィンは昔のものと比べると明らかにレールが薄いため、板が小さくなると『レールが入り過ぎてしまう現象』が起こる可能性があります(体重や脚力がある人は特に)。
同じ現象は、シングルフィンサーフボードの長さが短くなればなるほど起こる回数が増えます。その理由は、短くなるのに比例してレールの厚さも薄くなるのが通常だからです。
長さが短めでレールがそこまで厚くない板の場合は、長め(高さ)のシングルフィンを選んだ方が個人的にはしっくりきます。
どうして?
フィンが長いことで、レールが入り過ぎてしまうのを止める手助けをしてくれるからです。
短い板に短いシングルフィンをチョイスするとどうなる?
自分の経験から言えば、フィンアウトしてスライドしてしまったり、レールが入りすぎることが多くなるように思えます。
簡単に説明すると?
例えば、トライフィンのぺらぺらのサーフボードを持っていたとします。サーフボードの長さは5’6です。そのような板に無理やり5インチの短いシングルフィンをつけたら、不安定になってしまうのは簡単に想像できるはずです。
一般論でシングルフィンの長さを即決しない方がいい
現在は、シングルフィンサーフボードと言ってもいろいろな種類があります。パフォーマンスボードな形状をしているものもありますし、まさに多種多様なのです。
そして、乗っているサーファーの体重や脚力もそれぞれに違いがあります。
だからこそ、『一般論でフィンを選ぶこと』が、結果的にサーフボードの性能を下げてしまうことにつながりかねないのです。
フィン選びに万人向けの正解はありませんが、それぞれの答えは必ず見つかります。それまでは焦らずに、いろいろなセッティングを試してみてください。