ジェリー・ロペスやマーク・リチャードが時折見せていた、最高にかっこいいボトムターンを見たことがありますか?
気負いが一切感じられない、あの『美しいボトムターン』です。
一体全体どんなの?
そのターンとは、『棒立ちでボトムターン』です。
この美しいシルエットは、まさに『スタイル』です。無意味に力んでおらず猫背にもなっていません。
トップに向かってサーフボードが垂直になっているわけでもなく、スプレーを飛ばす量も多くありません。それでも、このボトムターンは最高にスタイリッシュなのです。
どんなサーフボードで生きるターン?
特にフィッシュ系のサーフボードやシングルフィンでは、『棒立ちボトムターン』の格好良さが最高に際立ちます。もちろん全ての場面で使えるわけではありませんが、自分自身が目指しているのはこのボトムターンです。
一般的なボトムターンはどんなもの?
現在サーフィンにおけるボトムターンは、お尻を突き出して重心を低くし手を前方に伸ばし、ボトムターンを行うものです。
手を水面にタッチすることで肩を開き、ターンしたい方向へ回転して行きます。このボトムターンは、現在サーフィンにおいての基本的な形とも言えます。
どうしてこういう形のターンになったの?
- 90度の角度でトップに行き、スプレーを飛ばす。
これを実現するための『理論』がボトムターンを進化させてきました。ただ実際によく観察してみると、『本当にかっこいいのか』という疑問がわいてきます。
どんな部分が?
特に、フロントサイドの場合です。腰を曲げてお尻を突き出すような形で、時折猫背にもなっているその姿は『いかにもショートボード』なスタイルです。
こちらのサーファーは膝をしっかりと曲げているので猫背になっていませんが、このボトムターンで格好良く見せるのは鍛錬が必要です。
どうして?
ほとんどのサーファーが、お尻を突き出し猫背の状態でターンをすることになるのです。
最初に紹介したスタイルのボトムターンの方が、『オリジナルでスタイリッシュ』だと思うひともいるのではないでしょうか?僕自身は確実に、前者のボトムターンが格好いいと考えています。
通常のは必要ないの?
もちろん通常のボトムターンでも完璧にできれば格好いいですし、学ぶ必要はあります。
ただボトムターンにもいくつかパターンがあることを学んでおけば、必ず役に立つはずです。教科書通りのサーフィンを目指していない方は、今回の記事をぜひ参考にして見てください。
通常のボトムターンのやり方に関しては、こちらの記事がオススメです。
【参考になる記事】上達近道ボトムターン講座
シングルフィンとツインフィンのための最高にかっこいいボトムターンのやり方
背筋を伸ばす
ターンを出来るだけ格好良く人に見せるために必要なのが、背筋を伸ばすことです。猫背でもほぼ変わらずにパフォーマンスはできますが、見た目で大きな違いが出てきます。
背中を伸ばした状態で、ボトムターンを行ってみてください。
膝は柔らかい状態でリラックスさせる
格好いいボトムターンで重要な役割を担うのが、『ひざ』です。
最初に紹介した棒立ちボトムターンは、膝がほとんど伸びた状態なのがわかります。
その姿はロングボードで行うターンのように美しく、無理がありません。
一般的なボトムターンは?
その一方で後者のお尻ターンは、サーファーの上半身が起点としてサーフボードが動いていきます。だからこそ『回転半径の小ささ』が実現できるのですが、サーフボードがついてきているだけなので、『スタイル』とは言えません。
棒立ちターンでは、サーフボードがターンをしているのです。
つまりどういうこと?
スタイリッシュなボトムターンとは、『スピードのある状態で膝を伸ばして板のレールを入れて、反発力と遠心力で曲がって行く』というものです。
ロングボードのターンを見れば、上半身を軸にしてサーフボードを動かしていないのがわかるはずです。体全体を利用して、まるでバネのようにサーフボードが動いていきます。
棒立ちボトムターンができない場合は?
棒立ちターンできない状況の場合は、膝を深く曲げる必要があります。
ボトムターンが格好悪いサーファーのほとんどは、『ひざの使い方』が間違っているからです(下の写真・良くないボトムターンの例)。
こちらの写真のサーファーは中途半端に膝が曲がっている状態で腰が曲がり、頭だけが先行しているので、ティラノサウルスのようになってしまっています。
それの何がいけないの?
膝が伸びているのに腰が曲がっていると、どう頑張っても格好いいボトムターンは不可能です。
棒立ちボトムターンをしない場合は、とにかく深く膝を曲げるようにして見てください。それだけでボトムターンの姿勢は大きく改善されるはずです。
スタンスを広く取りすぎない
次に重要なのが、『スタンス幅』です。より格好いいボトムターンを実現させるためには、スタンスを広げすぎないことが大事です。
後ろ足の位置は重要じゃないの?
後ろ足の位置は非常に重要ですが、必ずしもフィンの上に置かなくても、格好いいボトムターンはできます。
大きくスタンスをとれば取るほど、『力んだスタイル』になってしまいます。トップに90度で駆け上がる必要がないシングルフィンやツインフィンの場合、むやみに後ろ足を広げる必要がない場合がほとんどです。
腕と手はとにかく力を抜く
ボトムターンを行う際、手は『グー』ではなく、リラックスした状態である必要があります。
どうして?
腕に変な力が入った状態でボトムターンを行うと、不自然な見た目になってしまうからです。
とにかくリラックスした状態で、ボトムターンの動作に入っていけるように心がけて見てください。
後ろ足の膝は内側へ閉じる
最高に格好いいボトムターンがしたい場合は、『ガニ股』になってしまうことは絶対に避ける必要があります。どんなに格好いいサーフボードに乗っていても、『ガニ股』であるだけで『スタイル』は失われます。
後ろ足の膝は、必ず前側へ向くように意識しましょう。
まとめ
人によって、『格好良さの定義』は違うものです。それに加えて乗るサーフボードによっても、求められる技術は変わってきます。
パフォーマンスボードで今回紹介したボトムターンを行っても、どこか滑稽になってしまうことでしょう。
自分のサーフボードが生きるボトムターンとは、どんなものでしょうか?それをよく考えてみると、きっと答えが見つかるはずです。