今回の記事は、ショートボードによるダックダイブのやり方を解説していきます。
ミッドレングスなど浮力のあるサーフボードでダックダイブがしたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
ダックダイブって何?
ダックダイブは『ドルフィンスルー』とも呼ばれる、波をかわすためのテクニックです。イルカや鴨のように水中に潜り、パドルアウトの際に波に押し戻されないようにします。
ダックタイブで一番大事なのはとにかくスピード
ダックダイブを成功させるのに一番大事なのは、『スピード』です。
スピードがついている状態でダックダイブができれば、ホワイトウォーター(スープ)になっている波でも乗り越えられます。
スピードが足りないとどうなるの?
その逆でスピードがなければ、波に押し戻されてしまうのです。ダックダイブの詳しいやり方については、後半で説明していきます。
ダックダイブをする前に確認
ダックダイブを成功させるための大前提として、サーフボードを水中に深く沈める必要があります。
ロングボードのように大きなサーフボードの場合は、ダックダイブはほぼ不可能です。
どうして大きいサーフボードだとできないの?
理由は単純で、水中に沈めることがとても難しいからです。
ロングボードを持っている場合は、タートルロール(別名:ローリングスルー)と言うテクニックを使う必要があります。
タートルロールのやり方は、こちらの記事がとても参考になります。
【参考になる記事】ローリングスルーのやり方やコツ、ファンボードやロングボードには必須テクニック
波の種類別ダックダイブ(ドルフィンスルー) のコツ
ホワイトウォーターになっている波
特に難易度が高いのが、ホワイトウォーターに対して行うダックダイブです。崩れてしまった波は強烈な力で、サーファーを押し戻そうとします。
スピードのない浅いダックダイブだと、ほぼ間違いなくはじき返されます。
ダックダイブをする直前までパドリングを行い、できるかぎり速いスピードで動作に入りましょう。
まだ崩れていない波
サイズが小さめの崩れていない波のダックダイブであれば、比較的簡単にできるようになります。
スピードがそれほどなくても、波をやり過ごすことができるでしょう。
注意点はないの?
崩れていない波の場合でも、波のサイズが上がれば上がるほどダックダイブのタイミングとスピードが重要になります。
スピードが足りない状態で、サイズのある波に浅いダックダイブをすると、そのままワイプアウトしてしまいます。
頭以上のサイズになってくると、崩れていない波へのダックダイブは危険も伴います。油断せず、的確にダックダイブを行うようにしましょう。
ダックダイブのやり方【手順詳細】
ここからダックダイブの手順について細かく説明していきます。
手順の詳細を読む前に、こちらの動画をご覧ください。ある程度イメージができてから、次の項からの説明に移ることをオススメします。
スピードをできる限りつける
波が来る直前まで、しっかりとパドルをしてスピードをつけます。波の向かって来るスピードを確認しながら、ギリギリまでパドリングするようにしましょう。
波がぶつかる2m手前で動作に入る
波が2mほどまで近づいてきたら、ダックダイブの動作に入っていきましょう。
波が目の前で崩れそうな場合はどうしたら?
波が自分の真上でブレイクしてしまいそうな時は、スピードを落とすか全力でパドリングを行い、直撃を避けるようにしてください。
タイミングを間違えると波が自分の真上で崩れてしまい、強烈な衝撃を受けることになります。
波のサイズが大きいと危険度が上がるので注意が必要です。僕自身もサイズのある波が真上で崩れ、サーフボードに顔面を強打して流血したことがあります。
気をつけましょう。
ボードの先端側から沈める
動作に入ったら最初に腕立ての姿勢になり、サーフボードを沈めていきます。
つま先か膝でテール側を沈める
サーフボードのノーズ側が沈んだら、次にテール部分を沈めていきます。この時は、つま先か膝を使うようにしましょう。
どうやって使い分けたらいいの?
サーフボードを深く沈めたい場合は、つま先を使うことをオススメします。波のサイズが小さければ、膝やスネで沈めるだけで十分な場合が多いです。
コツが掴めるようになるまでは、是非どちらも試して見てください。
水中でサーフボードを水平にする
実は非常に重要なのが、『水中でサーフボードを水平にする』ことです。特にホワイトウォーターに対するダックダイブでは、効率的なパドルアウトをするために必要不可欠になります。
どうしてサーフボードを水平にしたほうがいいの?
その理由はサーフボードが水平になっていないと、水面下で波の衝撃をサーフボード全面で受けてしまうことになるからです。そうするとダックダイブがうまくできずに、波に大きく弾かれてしまうことになります。
サーフボードを水平にして、波の衝撃(スープ)に対して『刺すイメージ』でダックダイブして見てください。
体をサーフボードに引きつける
水中にサーフボードを沈めたら、体をサーフボードに対して引きつけます。このときに気をつけたいのが、サーフボードを引っ張らないようにすることです。
ついつい板を引っ張ってしまいがちですが、自分の体を沈めてサーフボードに近づけるイメージです。
くっつけないとどうなるの?
人によっては、サーフボードと体を離した状態のままでダックダイブをする方もいます。その場合は、体とサーフボードの間に力を受け流すイメージになります。
自分自身は、体とサーフボードをできるだけつけるようにしています。好みがあると思うので、どちらも試してみてください。
水面に顔を出す
ダックダイブが上手くでき波をかわしたら、水面に顔を出します。この時に、おでこを水面に向けていくのがコツです。そうすれば、水面から顔を出しても前髪がかかることがありません。
ダックダイブをしたらいつも前髪が垂れて来るのだけど?
ダックダイブをした後に前髪が目にかかる人は、おでこから出すイメージでダックダイブを行ってみましょう。
まとめ
以上で、今回の記事は終わりです。
パドルアウトが速い人に共通する特徴は、ダックダイブが上手いことが挙げられます。
ダックダイブがうまくできれば波に押し戻される量が減り、効率的にパドルアウトができるからです。
最初のうちはうまくできなくても繰り返して練習すれば、ダックダイブは必ずできるようになります。
それまでは、根気よく海に通い続けましょう。