『マジックボード』と呼ばれるサーフボードを、聞いたことがありますか?
英語では、Magic Surfboard。日本語に訳すと、『魔法のサーフボード』です。
『マジックボード』に出会うことができれば、自分が本来持っている力以上のパフォーマンスを出すことができます。まるで魔法がかかったように、サーファーの資質を引き出してくれるのです。
決まった形やシェイプはあるの?
『マジックボード』とは、一体全体どんなサーフボードなのでしょうか。
今回は、『マジックボード』について考えてみました。記事を読めば、『マジックボードを手にするとき』がほんの少しだけ近づくはずです。
【関連記事】波がない!そんな時に実践したい小波サーフィンとお勧めのサーフボード
いろいろなサーフボードに乗ればマジックボードが見つかる
当然のことではありますが、マジックボードと出会うためには、色々な種類のサーフボードに乗る必要があります。
選り好みせず、様々なサーフボードに乗ってみましょう。
どうして色々な種類のサーフボードに乗る必要があるの?
自分のスタイルではないサーフボードでも、乗ってみると新たな発見があるものです。
一番いい方法は、サーフボードレンタルを利用して色々なサーフボードに乗ってみることです。
一般的なサーフボードレンタルは、ソフトトップが多いです。
しかし、バリ島やスリランカにサーフトリップに行けば、色々な種類のサーフボードを借りることができます。決して最新のサーフボードではないですが、マジックボードを見つける手助けになることは間違いありません。
古いサーフボードばかりじゃない?
レンタルショップを利用すると、90年代のサーフボードやどのブランドか不明なものまで、様々なボードを乗り比べることができます。
古いサーフボードに乗ってみると、面白い発見が必ずあります。『古いから悪い』という考えを捨てましょう。
『このサーフボードいいな』
と感じたら、サーフボードのサイズ(ディメンション)をメモしておきましょう。
あなたのスタイルにあったマジックボードとは
人それぞれ、サーフィンのスタイルは違います。前足荷重気味のサーファーがいれば、その逆もあります。スピード重視のサーフボードが好きな人もいれば、コントロール重視の人もいます。
その情報はマジックボード探しの手助けになるの?
自分の理想のサーフボードを『イメージ』しておけば、マジックボードと出会うきっかけを作ってくれます。自分がサーフボードに求めるものは何か、考えて見てください。
自分がやりたいサーフィンをまとめると・・・
- 速い
- 自由
- リラックス
の3つになります。
この3つを実現するために必要なサーフボードを考えていくと、自分のマジックボードの概要が少しだけ見えてきます。
僕の理想のサーフボードは、以下のようになります。
- とにかく速いサーフボード
- 前足荷重向け(フロントフッター)
- ボトムに降りていくスピードが早いサーフボード
- ある程度の重さがあるもの
あなたの理想とするマジックボード(サーフボード)は、どんなサーフボードですか?
最新のサーフボードだけに固執しない
『最新のサーフボードだから優れている』という考えは、捨ててください。
確かにサーフボード素材は進化はしていますが、それが全てではありません。現在のパフォーマンス型サーフボードのほとんどは、後ろ足荷重を念頭に置いたシェイプになっています。
なんでそれがだめなの?
ダメなのではなく、他にも選択肢があることを知っておくべきだと言うことです。
ベストサーフボードにも選ばれた、HydenShapes Surfboardsの『HIPTO CRYPTO』は、前足荷重向けのサーフボードシェイプです。
長年のベストセラーになっているLOSTのラウンドノーズフィッシュも、ノーズ側にボリュームが多くあります。
これらのサーフボードが『ベストサーフボード』に選ばれるのには、確かな理由があります。
どう言う理由?
一般のサーファーが本当にサーフィンを楽しめるサーフボードは、『後ろ足荷重』よりも『前足荷重向け』のものが多いです。
プロであれば、スピードを自分でつける技術が非常に高いため、『後ろ足荷重むけ』のサーフボードでも高いパフォーマンスを発揮することができます。
しかし、一般的なサーファーであれば、『スピードをつけることを手助けしてくれるサーフボード』に乗ることが最善の選択だと言えます。
スピードが簡単に出るとどんな利点があるの?
スピードが自然に出れば、今までできなかったターンも可能になりますし、抜けられなかったセクションも抜けられるようになるからです。
それが結果的に『マジックボードだ』という感覚を生み出すのではないでしょうか。
バレルに入った時も同じで、重要なのはスピードをつけることです。プロがバレルライドをしている動画を注意深く観察すると、前足がノーズよりに置かれていることがわかるはずです。
WSLサーファーのようなパフォーマンスができるサーフボードが、あなたにとってのマジックボードだと決めつけない方がいいと思います。サーフィンのスタイルは1つではありません。
あなたのサーフィンを解放してくれる『マジックボード』は、80年代に作られたファンボードかもしれないのです。
【関連記事】アシンメトリー(左右非対称)のサーフボードでターンが上達【サーフボードシェイプの基礎知識】
マジックボードはひとつじゃない
『マジックボード』は、1つだけとは限りません。もしかしたら、波質によっては違うマジックボードが存在するかもしれません。1つの答えを探し求めるより、3つの答えを探した方がいいです。
マジックボードがあったらどうなるの?
『マジックボード』は、あなたのサーフィンを100パーセント解放してくれます。あなた自身が持つサーフィンの個性を引き出してくれるのが、『マジックボード』です。
アレックス・ノスト(Alex Knost)や、ジェアド・メル(Jared Mell)のようなスタイリッシュなサーフィンかもしれないし、ラリーバートルマンのようなシングルフィンサーフィンかもしれません。
マジックボードを手にするために『ハンドシェイプのサーフボード』をオーダーする
理想のサーフボードが明確にイメージできているのであれば、オーダーメイドで作ってもらうのも1つの方法です。
僕はこの方法で、『マジックボード』を手にすることができました。
参考までに、僕のマジックボードを紹介します。
シェイパーはニュージーランド人のジョーダン・グリフィン(Jordan Griffin)です。ジョーダンは、RVCAにスポンサーされているサーファーでもあります。
ジョーダン・グリフィンについて詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考してください。
【参考記事】ニュージーランドの100%ハンドメイドサーフボードシェイパー 『ジョーダン・グリフィン』
公式サイトはこちら→Jordan Griffin Surfboards
先述した僕の理想のサーフボードは、以下のようになります。
- とにかく速いサーフボード
- 前足荷重向け(フロントフッター)
- ボトムに降りていくスピードが早いサーフボード
- ある程度の重さがあるもの
この全ての理想を現実のものにしたのが、『ジョーダングリフィンのサーフボード』でした。
僕のマジックボードは、非常に分厚く前側にボリュームがあるサーフボードです。ボンザー・サーフボードが、僕のサーフィンに100%フィットしました。
どんな違いがあったの?
僕のサーフィンレベルは決して高くありませんが、それでも違いがわかるほどの『スピードの速さ』を得ることができます。そのおかげで、今までできなかったターンも挑戦できるようになりました。
このサーフボードは、正真正銘のマジックボードです。
オーダーメイドのサーフボードは、非常にオススメです。シェイパーの方が、自分自身の目指しているサーフィンを熟知しているのであれば尚更です。
【関連記事】ボンザー・サーフボードの勧め【利点や特徴】
まとめ
たとえ手元に『マジックボード』があったとしても、『新たなマジックボード』を探してしまうのが僕たちサーファーです。
究極のサーフボードを探す旅に、終わりはありません。
サーフボード選びに悩むのも、サーフィンを楽しくする理由のひとつです。1インチの長さの違いに一喜一憂するのは、僕たちサーファーぐらいでしょう。
サーフボードそれぞれにも、個性があります。一枚一枚、乗り手に要求されることも変わってきます。
そう考えると、サーフボードに合わせたサーフィンを心がけることも、非常に重要だと言えます。乗り手としてサーフボードの要求に答えていくうちに、今持っている板がマジックボードに変わることも、十分あり得ます。
皆さんの手元に、『マジックボード』はありますか?
それとも今もまだ、探し続けていますか?