皆さんはサーフィンをしていて、『時間の流れがいつもより遅く感じた』ことがありませんか?例をあげるとすれば、テイクオフの瞬間やバレルに入っている時です。
他のサーファーから見たら一瞬の出来事でも、本人が感じる時間の流れが違うときがあるのです。
どうして時間の感覚が変わるの?
サーフィンをしていて周りの時間の流れがスローに感じる理由は、『集中力が極限に達しているから』です。そしてその集中力が極限まで達すると、『ゾーン』と呼ばれる領域に入ります。
マイケル・ジョーダンやマイク・タイソンの話が有名ですが、『ゾーン』に入ると周りがスローで動いているように感じるのです。
マイケル・ジョーダンは絶好調の時に、周りの選手の動きがスローモーションで見えていたと語っています。マイク・タイソンも同様で、ボクシングの試合中にパンチがスローで見える状態を、幾度となく体験していたそうです。
一秒間に処理ができる情報量が増えることで、同現象が起きると言われています。
わかりやすく説明すると?
簡単に説明すると、普通の集中力では一秒間に10コマの映像しか処理できないのに対して、極限状態にいることで20コマを処理できるイメージです。
皆さんも人生に一度は、『それに似た体験』をしたことがあるはずです。
僕自身の経験談ですが、学生時代にオートバイで事故を起こしたときのことです。その瞬間は、まさにスローモーションで『時間の流れ』がとてつもなく遅く感じました。
事故った瞬間に集中力が極限までに達したことで、脳の処理速度が上がったのかもしれません。
その時のことは今でも鮮明に覚えています。バイクが転倒するとわかった瞬間に、全てがスローモーションに切り替わりました。
転倒して地面に当たる直前までの全てがスローで、コンクリートに頭が当たる瞬間に腕を出して直撃するのを免れたのです。
この話は、作り話ではなく実体験です。肘には、その時の傷が残っています。
サーフィンになんの関係があるの?
サーフィンでも、同じことが言えます。
極限まで集中力が高まった時、一秒間に感じる『コマ数』を増やすことができれば、サーフィンのパフォーマンスは確実に高まります。皆さんもサーフィンをしていて、一度くらいは『スロー』に感じたことがあるはずです。
あるいは、たった1つの波の記憶が、鮮明に思い出せたことはありませんか?
数ヶ月前のセッションでの『1つの波の記憶』が鮮明に思い出せるのであれば、高い集中力でサーフィンをしていた証拠です。
このことから、サーフィンにおいて『集中すること』が、重要な役割を果たしていることがわかります。
一体どのようにしたら、サーフィンをしている時に集中力を高められるのでしょうか。どのようにしたら、ゾーンに入ることができるのでしょうか。
今回の記事は、『サーフィン』と『集中力』の話です。
サーフィン中に集中力を高める方法
言い訳ができない環境を100%作り上げる
サーフィン中に集中力を高める上で最も大事なのは、『言い訳ができない環境』を自らで作り上げることです。
『今日はこのサーフボードにするべきではなかったな・・・』
『ワックスが塗りたなりなかったからちょっと滑るな・・・』
このような状態では、絶対に『ゾーン』に入ることはできません。集中力が高まるどころか、上手くできない理由探しを脳が始めてしまうからです。
じゃあどうすればいいの?
自分が完璧だと思う環境で、サーフィンをしましょう。言い訳が見つかるような状況では、サーフィンに100%集中できません。『完璧な環境と道具でサーフィンをしている』ことを、頭の中で認識してください。
まずは、言い訳になり得ることすべてを排除しましょう。
『昨日飲みすぎて調子が悪い・・・・』
『1ヶ月サーフィンしてないからな・・・』
『もうちょっと浮力がある板にすればよかったな・・・』
と言っているようでは、一生最高のパフォーマンスはできません。
『この道具と環境でできないなら、悪いのはすべて自分だ』と言える環境でなければ、集中力は高まらずサーフィンは一向に上達しません。
集中して最高のパフォーマンスを望むのであれば、『言い訳』は厳禁です。
今その瞬間に乗っている波に全身全霊で集中する
テイクオフをするためにパドリングを始めたら、全ての神経を『1つの波』に集中させましょう。その時に今までの記憶を呼び起こしてしまうのであれば、いい状態とは言えません。
わかりやすく説明すると?
例えを挙げるなら、このような感情や記憶です。
『また前みたいにワイプアウトしたらどうしよう・・・』
『この波はちゃんと割れていくのかな・・もう1つ待ったほうが良かったかな・・・』
などです。
このような精神状態でテイクオフをしても、『その波に100%集中する』ことは難しいはずです。
乗る波が決まったら、全ての神経を集中させてください。雑念を捨てなければ、いいパフォーマンスはできません。乗ったら、その波に100%集中するだけです。
毎日サーフィンをする
毎日集中してサーフィンをすることで、『集中すること自体』も簡単にできるようになっていきます。大事なのは、できる限り高い頻度でサーフィンを繰り返すことです。
集中を繰り返せば、無意識でも素晴らしいパフォーマンスができるようになっていきます。
無意識でサーフィンができる?
集中力が高まると、『体が勝手に反応』してくれます。通常であれば反応できない場面でも、反射的にパフォーマンスすることができるのです。
海に行く回数が減ると、『集中力』を高めるのが難しくなります。とにかく海に通い続けましょう。そうすれば、『ゾーン』に入る頻度も多くなって行くはずです。
自分の感情をコントロールする
サーフィンをしているときに怒りや悲しみを感じていたら、波に集中することができなくなります。
自分自身の感情をコントロールできなければ、サーフィンをしているときに『ゾーン』に入ることはできません。
どんな気持ちでサーフィンをすればいいの?
サーフィンに必要なのは、ポジティブな感情です。
- 調子がいい
- 乗ってきた
- できる
- いける
ポジティブな感情でいる状態でサーフィンに集中することで、パフォーマンスは確実に上がります。雑念や負の感情は、排除しましょう。『自分はできる』と頭の中で暗唱するのも、効果的です。
感情をコントロールして、ポジティブな気持ちで波に乗るように心がけてください。
まとめ
以上が、『サーフィン中に集中力を高める方法』です。集中力が高まった時、人は素晴らしいパフォーマンスを発揮するものです。
さらにその先まで行けば、『ゾーン』という極限状態を得ることも可能です。
言い訳をしてサーフィンに集中できていないと、思ったようにパフォーマンスをするのが難しくなります。
先日の自分は、まさに言い訳の塊でした。
先日の波は、完璧なまでに巻いていてバレルを抜けるチャンスが数回ありました。それにもかかわらず、自分自身はバレルを一度もメイクできなかったのです。
自分の技術が足りないのも大きな原因ですが、『集中していなかった』こともできなかった理由の1つだと強く感じました。
その時の僕は、海に入った瞬間から言い訳を始めていました。久しぶりに乗ったサーフボードに、不満を感じていたのです。そのような状態で、いいパフォーマンスができる訳がありません。
サーフィンがうまくなりたいと思っているのに、『できない理由』を探そうとしている自分自身が情けなくて仕方ありませんでした。
今回の記事は、自分に宛てたメッセージでもあります。
言い訳をせずに100%集中した状態で常にサーフィンをすることは、簡単ではありません。しかし、プロになる人たちは、それが自然にできているのです。
上手くなりたいのであれば、『言い訳をやめて100%サーフィンに集中』しましょう。
そうすればきっと、できなかったこともできるようになるはずです。それまでは、とにかく海に通い続けましょう。