ハングファイブやハングテンをする前にやらなければいけないことは、『的確な場所にトリミングして自分をポジショニングすること』です。
どういうこと?
簡単に説明すると、『波とタイミングを合わせる』といいうことになります。
- ハングファイブを成功させるためにクロスステップでノーズに向かったら、サーフボードの先端が沈んでしまった
これは、ノーズライドをしようとしているサーファー全員が一度は経験しているはずです。
どうしてノーズに行けないの?
そうなってしまう理由は単純です。
それは、『ノーズに向かうタイミングが違うから』です。
波にタイミングを合わせるのに、絶対に必要な技術こそが、『ロングボードをトリミング』することなのです。
トリミングができると何が変わる?
的確なトリミングができるようになれば、『波に対してタイミング』を合わせることができます。
そうすれば、ハングファイブとハングテンの成功率を、確実に高められるはずです。
記事を読む前に)僕自身はプロロングボーダーではありません。今回の記事は、『自分自身のロングボード上達の過程』をシェアすることが目的です。そうすることで、だれかの技術向上の手助けになれば幸いです。
なぜ波にタイミングを合わせなければいけないのか
準備なしでノーズに向かったら、結果は見えています。
バランスを崩してワイプアウトしてしまうか、ノーズが沈んでしまうことでしょう。
波のどこにタイミングを合わせればいいの?
波が、板をしっかりとホールドしてくれる場所です。
ハングテンやファイブを成功させるために重要なのは、『最適なポジションにトリミングする技術』なのです。
波のハイラインへトリミングをする技術を身につける
例えば、波のボトムに近いショルダー部分でノーズに行こうとしたとします(下のイラストのような位置)。
ハングファイブをする前に沈んでしまう・・・
この場合だと、ほぼ間違いなくノーズライドは失敗します。仮にノーズに行けたとしても、一瞬だけだけになってしまいます。
波がシッカリと掘れてくるところでノーズに行くことができれば、ハングファイブ・テンをホールドすることができるのです。
こちらのイラストのような位置に、サーフボードのタイミングを合わせることが理想だと言えます。
波にタイミングを合わせる方法
ボトムからハイラインへ移動する
ショルダーに行き過ぎてしまったら、ボトムに一度降り切ってしまうのも一つの方法です。
ボトムに降り切った後に再びハイラインへ移動することで、波とのタイミングを微調整することができます。
注意点は?
自分の失敗例を上げると、ハイラインへトリミングをしすぎたせいで、波の裏側へプルアウトしてしまう形になってしまうことがあります。
そうならないようにするためには、早めのクロスステップでノーズに荷重を持っていくことが重要です。
中腹部までトリミングした時点で、クロスステップの動作に入るのがいい場合もあります。
クロスステップの動作に入りながら、『波の動き』をしっかりと観察するようにしましょう。
後ろに荷重を掛けロングボードを失速させる
後ろに荷重をかけることで、ロングボードを失速させることができます。
それにどんな意味があるの?
そうすることで、走りすぎてしまったロングボードを波のクリティカルエリアまで戻すことができるのです。
ショルダーで闇雲にノーズに向かうよりも、失速させた後にホワイトウォーターぎりぎりでクロスステップを行ったほうが、ノーズにいられる時間は理論的に長くなります。
テイクオフの時点で波とのタイミングを合わせる
先述した方法は、波のショルダー部分で行うテクニックです。
それ以外の方法もあります。
それは、テイクオフの段階で『波とのタイミング』を合わせる方法です。
どこでテイクオフしても同じなんじゃ?
ロングボードはテイクオフが簡単だと思われがちですが、ノーズに行くことを目的とすると難易度がとてもあがります。
ショートボードでいうと、『バックドアからエントリーするイメージ』です(下のイラスト参照)。
このテイクオフに意味があるの?
波が掘れてくる逆側からエントリーすることで、テイクオフした瞬間からロングボードをシッカリとホールドすることができます。
ショルダー部分からテイクオフした場合でも、同様です。
横に走ればいいんじゃないの?
すぐに横に走ろうとしてしまうと、ロングボードはどんどん波の力が弱い部分にいってしまいます。
そうなってしまうと、張った波とタイミングが合わないため、ノーズに行くことが難しくなってしまうのです。
テイクオフの時に板のノーズを逆方向へ向ける
波が切れていく方向と逆側へ数秒間ロングボードを走らせるのも、一つの方法です。
そうすることで、板を切り返した時に自然と『波のクリティカルエリア』に自分を合わせることができます。
難易度は高いですが、成功した時のノーズでのホールド感は抜群です。
まとめ
ロングボードにおいて、『ノーズに行く技術』を習得することは、必要不可決とも言えます。
だからこそ、誰もがノーズへ向かう足を早めてしまうものです(自分自身も)。
それに加えて、波の状況は常に変化していきます。
張ってきたからノーズに行ったのに、たるいセクションになってしまったり。
ロングボードを失速させたら、予想よりも早くきたホワイトウォーターに捕まってしまうこともあり得ます。
プロがやっているように、安定してノーズに行くのは、とても難しいことなのです。
適切な状況判断をするためには、『失敗と経験』を繰り返すしかありません。
海に通い続けることこそ、ノーズライドの成功率をあげるために必要不可欠なのです。
できるまでひたすら、黙々と海に通い続けるのです。