下の写真のような薄いへこみは、『プレッシャーディング(Pressure ding)』と呼ばれています。その名の通り、サーフボードの表面が強く押されたことによってできます。
へこみ(プレッシャーディング)の深さは通常1mmから3mmほど、範囲は直径5cmほどだと思います。
へこみができてもサーフボードは使える?
これらの『へこみ』は、パフォーマンスに影響を与えません。わずかなへこみを知覚できるサーファーは、ごく僅かの上級者に限られます。
ボトム側(サーフボード滑走面)であっても同様です。凹みの深さが2mmから3mmほどでは、パフォーマンスの違いを認識するのは難しいです。
『へこみ』によって生じた抵抗よりも、心理的な影響の方が大きいと思います。
『パフォーマンスが下がった』
『ボトム側がヘコんでいるせいか、なんか引っかかる』
と言う気持ちが、ライディングに悪影響を与えます。
少しのへこみでは、パフォーマンスに影響が出ない理由
少し極端ですが、下のイラストをご覧ください。
この2つのサーフボードにできたデコボコを比べた時、ライディングに悪影響を与えるのはどちらでしょうか。
答えは間違いなく、一番目の方です。
どうして1番目の方が悪い状態なの?
その理由は、『大きな抵抗がかかるから』です。2番のようなわずかなへこみでは、抵抗はほとんど生じません。
このような小さなへこみ(プレッシャーディング)であれば、ライディングに悪影響はありません。
サーフボードのへこみの原因
ダックダイブ(ドルフィンスルー)の際に生じる
最も多く『へこみ』が発生する場所は、『サーフボードのデッキ部分』です。
デッキ部分にできるへこみのほとんどは、ダックダイブ(ドルフィンスルー)の際に生じます。
どうしてダックダイブでサーフボードが凹んでしまうの?
膝を使ってダックダイブした場合は、特に凹みができやすいです。水中でサーフボードに膝蹴りを繰り返せば、へこむのは当然のことと言えます。
また、ライディング中の強いプレッシャーによっても凹みは生じます。
サーフィンをする以上、『デッキ部のへこみ』を避けることは不可能に近いです。
サーフボードを強く握りしめすぎる
レールにできたへこみは、ダックダイブの際などに強く握りしめすぎた際に生じます。ある程度の握力があれば、サーフボードは意外と簡単にへこんでしまいます。
ワイプアウトした際にサーフボードにぶつかる
ワイプアウトした際にサーフボードが自分の体と強くぶつかり、凹みが生じます。
波のサイズが大きくなれば、サーフボードに与える衝撃も増します。これを事前に防ぐのは、難しいことです。
パフォーマンスに影響は出る?
わずかなへこみであれば、パフォーマンスに影響はありません。
5mm以上のへこみができた場合は、修理を検討する必要があります。破損部がひび割れている場合は、水が侵入するきっかけになることがあります。
へこみがどうしても嫌な人はエポキシ製サーフボードがおすすめ
サーフボードの購入後、新たな『へこみ』ができてしまうのは落ち込むものです。たとえパフォーマンスに影響がなくても、悲しい気持ちになってしまうのは当然です。
『サーフボードがへこみのは絶対に嫌だ』と言う方は、エポキシ製のサーフボードがお勧めです。
どうしてエポキシのサーフボードがオススメなの?
エポキシサーフボードの場合は、ほとんど凹むことがありません。理由は、堅い殻(エポキシレジン)で覆われているからです。
修理方法
今所有しているサーフボードのへこみが気になる方は、ディングリペアも可能です。
プレッシャーディングの場合、UVレジンを使って『へこみ』をパテ埋めするのが一般的な方法です。ただし、修理としては非常に難しいものになります。
小さな凹みの場合は、そのままにしておいたほうがいいことが多いです。リペア屋さんにサーフボードを持っていき、相談して見てください。
まとめ
サーフボードのへこみは気になるものです。小さなものであっても、新しいサーフボードにできたらがっかりしますよね。大事にしているサーフボードであればあるほど、ショックは大きいものです。
でも実際は、そこまでパフォーマンスに悪影響を及ぼしません。
皆さんも時々、友人同士でサーフボードを交換し合うことがあるはずです。友人のサーフボードが調子が良く感じた時に、『凹みがあるかないか』なんて気にしませんよね?
完全な新品でない限り、誰のサーフボードにでも『凹み』はあるものです。友人から借りたサーフボードの凹みを、気にしたことありますか?
こんな具合に、『凹んでるのを知らなければ絶対に気がつかない』のが、サーフボードの小さな凹みです。
もしも、サーフボードを貸した友人が『ボトムに引っ掛かりがあるな』と言ったとしても、その原因はフィンの違いである可能性が高いです。
サーフィンのパフォーマンスに影響を与えるのは、小さなへこみよりも大きな出っ張り(フィン)です。
小さなへこみは気にせずに、サーフボードを長く使っていけたらいいですね。
今回の記事は、お気に入りのサーフボードに凹みができてしまった自分のために書いたものでもあります。
気にするのは、もう終わりにしましょう。
それでは、今日はこの辺で。