ここ最近、頻繁に繰り返し観ているサーフィンの映画があります。
その映画の名前は、『Free Jazz Vein』です。
今回の記事の題名にもあるように、この映画はどこかネジが外れている波乗りの映像の連続です。
47分間という短い時間ではあるのですが、『サーフィンの定義』を確実に壊してくれる素晴らしい映画なのです。
『ぶっ飛んでいる』という言葉を記事の題名につけたのは、本当にそれ以外の言葉が見つからなかったからです。
映画に出演している主なサーファー
出演しているサーファーは、以下の通りです。
- Alex Knost
- Beau Foster
- Ozzy Wrong
- Dave Rastovich
- Dane Peterson
- Kassia Meador
- Travers Adler
- Wade Goodall
- Ellis Ericson
- Mikey DeTemple
- Trevor Gordon
- Alex Gray
- Ryan Burch
- Creed McTaggart
- Tyler Warren
- Devon Howard
- Troy Mothersdome
- Justin Adams
- Robin Falxa
- Jared Mell
- Alex Parker
- Jack Lynch
映画の見所
この映画の良いところは、すべてのジャンルのサーフィンが詰め込まれているところです。
それの何が良いの?
ジャンルごとに全く違う波に対するアプローチは、『波乗り』に対する理解を深めるきっかけを与えてくれます。
どんな人にオススメのサーフィン映画?
もしも自分自身のサーフィンに『壁』を感じているのだとしたら、ぜひ観て欲しい映画です。
いま現在目指している僕たちのサーフィンの形は、未来の人たちから見たら『古いもの』に必ず変わっていきます。
どういう意味?
当たり前に目指していた『形』は、古い常識となって、未来では埋もれているものなのかもしれないのです。
もちろん、古いのが悪いわけでもなければ、新しいのが素晴らしいわけでもありません。
どうして?
今現在と過去のサーフィンが融合されるからこそ、スタイルが生まれると考えることもできるからです。
映画を見てどうする?
この映画を見て、『波乗りの常識の壁』を一度壊してみてください。
壊した壁を再び積み上げたときに、それは全く別の『新しい波乗り』になっているはずです。
どこか『おかしい』誰もみたことがない『波乗り』は、きっとそうやって生まれてくるはずなのです。
波乗りは芸術
コンペティターとして活躍しているサーファー以外は、波乗りは採点されるものではありません。
それは評価する側に指定がない、美術館のようなものです。
簡単に説明すると?
絵画などの芸術見てどう感じるか、見る側に採点の基準は存在しないのです。嫌なら嫌でも良いですし、その作品に惚れ込むのも見ている側の自由です。
波というステージに立った以上、他のサーファーからの視線を集めることになります。
そこで、『どう踊るか』はあなたの自由であり、『踊らない』という選択肢も、もちろん存在します。
それはただの、『波に乗る』という芸術に過ぎず、それ自体が万人に評価されるものである必要は一切ありません。
踊らない踊りを踊りたいのであれば、それでも良いのです。
例えばどういうこと?
ダンスの舞台を観に来たのに、ずっと踊らずにステージに直立不動で立ち続けるダンサーがいたら、あなたはどう思うでしょうか?
- 音楽が終わっても、ただたち続けている
そんなダンサーがいたら、どう思いますか?
その映像は、ダンスをただ踊るダンサーよりも、ずっと印象に残るはずです。
怖さや不気味さも、感じるかもしれません。
100人があなたのサーフィンを見て、1人でも『この人のサーフィンはぶっ飛んでいる』と思ったのだとしたら、芸術として面白みがあるものだと言えるはずです。
当てに行ったり、スプレーを飛ばすことに価値を見出す必要も一切ありません。
その逆で、スプレーを全く飛ばさないサーフィンができたら、すごいと思いませんか?
- 静かに鋭く波を切り裂いたターンをするのに、スプレーが全く飛ばない
そんなサーフィンも、一つの『波乗り』の形です。
スプレーを飛ばすことが波乗りだと思っている人からしたら、それは奇妙なものに映ることでしょう。
でも、そのひとのサーフィンは確実に、芸術として面白みのあるものだと言えるはずです。
サーファーは、波の上では誰もが芸術家です。
あなたが最初に持ったその筆で、何を描くのでしょうか。いっそのこと、筆を折っても良いでしょう。
折れてしまって半分になったサーフボードで、波にのることもできるのです。その芸術には、『ルール』は存在しません。
ただただ自由に、波に乗れば良いだけなのです。