ロングボードを目の敵にするショートボーダーは、少なからず存在しています。
自分自身も短い板に乗ることが多いので、ロングボーダーに毎回波を取られてばかりだと、がっかりすることもあります。
でもロングボーダーがそこにいるのは、ロングボードに適した波がそこにあるからです。サイズが上がってくれば、ロングボーダーも短い板を使ってパドルアウトするのです。
小波でロングを楽しんでいる人に対して、『ショートボードしたいからどいて』と言うのは間違いです。
じゃあどうしたらいいの?
どうしてもロングボーダーが嫌いな人は、ためしにロングボードに乗ってみてください。ソフトトップのロングボードでもいいのです。
一度でもロングボードで波に乗ったら、その圧倒的なスピードと疾走感の虜に必ずなります。
サーフィンはショートボードだけじゃない
サーフボードの選択肢は、ショートボードだけではありません。ロングボードを選んでもいいのです。
カリフォルニアから始まった『原点回帰』のムーブメントは、今もまだ続いています。そしてそれは、決してただの『流行り』ではありません。
本来あるべき姿を取り戻したロングボードの世界は、一層の盛り上がりを見せています。盛り上がる理由は簡単で、『楽しいサーフィン』がそこに確実に存在するからです。
誰もが楽しむことができる『純粋な波乗り』こそ、ロングボードなのです。
みんなどんなロングボードに乗っているの?
現在のロングボード界では、『シングルフィン』が基本になってきていると行っても過言ではありません。そのような形で原点に戻ることは退化では決してなく、新たなカルチャーが次々と生み出されています。
シングルフィンのムーブメントについては、こちらの記事がとても参考になります。
【とても参考になる記事】なぜ今シングルフィン?
ロングボードには『純粋の楽しさ』が詰まっている
サーフィンの世界には、様々な種類のサーフボードが存在します。
そのなかで現在主流となっているのが、WSLを中心としたショートボードの競技サーフィンです。
鋭いターンやぶっ飛んだエアーを決めて得点を競い合い、アスリートとして頂点を目指すものです。誰もが一度は、そのハイレベルな戦いを見たことがあると思います。
今までのサーフィンの世界では、『右にならえの精神』でほとんどの一般サーファーが短いサーフボードを手にしてきました。
だれもが『競技サーフィンの形』を目指すストリームが存在していたため、『少数派』は端っこの方に追いやられていたのです。
でもよくよく考えてみると、『全ての人が同じ競技サーフィンの形を目指す』のは間違っていることは明らかです。
どうして?
その理由は簡単で、根本的に無理があるからです。
簡単に説明すると?
たとえを挙げるとすれば、山登りです。世界にはたくさんの登山愛好家がいますが、すべての人がエベレスト登頂を目標としているでしょうか?
決して、そんなことはありません。高い頂きに挑戦することは、すごいことですが『誰にでもできること』ではないのです。
それぞれが『自分の身の丈にあった山登り』を楽しんでいて、各々に『山登りが好きな理由』が存在しているはずです。
それはサーフィンでも同じです。
自分のできる範囲内で『波乗り』を楽しむことこそ、本来のサーフィンなのです。
なぜロングボードを選ぶのか?
例えば家の目の前がパイプラインだったら、ショートボードを選ぶのは自然の流れです。
でももしも家の前が、『ひざから胸ぐらいのロングボード向きの波』だったら、ロングボードを選ぶのが本来の流れであるはずです。
それに従わなかったら?
その自然の流れに逆らって間違ったサーフボードを選んでしまうと、スタイルに無理が生じることになります。
小さいロング向きの小波で、ショートボードでサーフィンをするのはとても難しいのです。ほとんどの場合がふんふん小刻みにジャンプして、なんとかスピードをつけてセクションを抜けようとすることでしょう。
そうだとどうなるの?
その見た目は、決してスタイリッシュではありません。そこにスタイルがない理由は、その波に適したサーフボードを選んでいないからです。
僕の知っている上手いロガー達は、ショートボードも持っています。そしてサイズが上がった波では、ショートボードで最高にスタイリッシュなサーフィンを披露しています。
ロングボードではでかい波は無理なの?
もちろん、乗り手の技術が高ければ、ロングボードは波のサイズが上がっても乗りこなすことができます。小さい波でも大きい波でも圧倒的にスタイリッシュなのが、ロングボードなのです。
自分の乗りたい板がロングボードなら、迷わずにそれを選びましょう。
注意)初心者の段階でロングボードに挑戦するのは、危険が伴います。重量があり取り回しが難しいので、まずはソフトトップのロングボードで試し乗りすることをおすすめします。
まとめ
ロングボードには、たくさんの魅力があります。思っているようにロングボードを操ることは、決して簡単ではありません。
自分はまだまだ、ロングボードを乗りこなせていません。それでもロングボードを持って海に出かけるのは、そこに確かな波乗りの魅力と楽しさがあるからです。
派閥同士の争いはやめて、純粋に目の前にある波でサーフィンを楽しみましょう。
もちろんルールを守って、譲り合いの気持ちを持ってです。サーフィンは海でする喧嘩でもないですし、海は喧嘩のための闘技場ではありません。
そのことだけは、どんな状況でも忘れないようにしたいものです。
ぜひ、ロングボードに挑戦してみてください。原点に一度帰ることは、決して遠回りにはならないないはずです。
そして純粋に、『波乗り』を楽しみましょう。