最初に結論を言うと、初心者がシングルフィンやツインフィンのサーフボードを選んでも全く問題ありません。
どの種類のフィンを選んでも、それが正解になります。
人によっては、『初心者はトライフィンからサーフィンを始めるべき』と言う理論を持っている人がいます。それに加えて、『ツインフィンやシングルフィンは玄人向け』と言う常識が存在しています。
しかし、『なぜそうなのか』と質問すると明確に説明できない人が多いです。
どうしてそう言われてきたの?
そのような理論が確立される理由は、すべての基本がトライフィンにあるという認識があるからです。
『普段はパフォーマンス型のショートボードを乗りこなして、小波やコンディションが良くない時だけオルタナボードに乗る』
『普段はトライフィンが基本で、波が良くない時はクアッドフィン。ツインフィンやシングルフィンは素人には無理』
『波がいい時はパフォーマンスボードでトライフィン、それ以外は邪道』
これらの常識は、『パフォーマンスサーフィンが最終ゴール』であるという先入観が作り出しています。競技サーフィンこそが『サーフィン』であるという常識が、フィン選びにも影響しているのです。
このような理論は、サーフィンの可能性を狭めます。一般サーファーであれば、『どのようにして、最高に格好良く楽しく波に乗るか』を基本にして行動したほうが視野が広がり、可能性が無限大に広がっていきます。
今回の記事は、『ツインフィンやシングルフィンに初心者が乗ってもいい理由』についてです。
トライフィンがサーフィンの全てではない
トライフィンしか乗っていなかった人が、いきなりシングルフィンに乗り換えると難しいと感じます。その逆に、ツインフィンにばかり乗っていた人が、トライフィンに乗り換えると戸惑うものです。
このことからわかるように、フィンセッティングにはそれぞれの性質があります。
シングルフィンからサーフィンを始めてもいいの?
シングルフィンから始めたから、トライフィンに乗り換えられないわけではありません。
どのフィンを選択しても、正解なのです。トライフィンに挑戦したければすればいいし、シングルフィンからサーフィンを始めるのもあなたの自由です。
誰かの常識にとらわれる必要はない
1970年代にツインフィンを乗りこなし、マークリチャードが世界チャンピョンに輝いていたときのことを想像して見てください。
その当時のサーファーたちは、誰もがマークリチャードに憧れてツインフィンのサーフボードを手にしていたはずです。それは間違っていることではありませんが、『誰もが絶対にやらなければいけないこと』ではないのです。
自分のやりたいサーフィンを見つけることが先決・・・
もしもトッププロのサーファーが新しいフィンシステムで優勝したら、みんなが真似をするようになります。そうする理由は、『トッププロのようにサーフィンがしたいから』です。
競技サーフィンはとても格好いいのですが、初心者が最初に目指すべきゴールとしては適していません。趣味として始めたサーフィンであれば、尚更です。
シングルフィンやツインフィンでたくさんのことが学べる
初心者でも、シングルフィンやツインフィンでたくさんのことを学ぶことができます。
各フィンセッティングには、それぞれのクセがあります。それを理解し練習に励めば、乗りこなすことができる日がいつの日か訪れるはずです。
どんなことを学べるの?
シングルフィンを乗りこなすことができるようになれば、『確実なレールワーク』を習得することができるようになります。
ツインフィンを乗りこなすことができるようになれば、『スピードが速い状況でのサーフボードのコントロール技術』が高まっていきます。
どんな些細なことでも、サーファーの心構え次第で全てが『学び』になり得ます。できない理由を探すのではなく、持っているフィンシステムの可能性を模索してください。
自分自身が今挑戦しているのは、ボンザーフィンです。まだまだ乗りこなしているとは到底言えませんが、自分が納得できるまで海に通い続けます。
まとめ
サーフィンの世界には、古い常識というものが存在します。時代の流れとともに、サーフィンの世界にも新しい流れができます。新しい流れは、トッププロのサーファーとサーフィン業界によって作り出されていきます。
確かにトッププロのサーフィンは、目指すべきゴールです。ただ、誰もがそこを目指す必要があるわけではないのです。
サーフィンはスポーツとも呼べますが、『遊び』だと考えて見てください。釣りで例えてみると分かりやすいはずです。目的は、『魚を釣ること』ですが、様々な楽しみ方が存在します。エサ釣りやルアー、フライフィッシングなど楽しみ方は人それぞれです。
それに対してどれが正解で、どれが間違っているかを議論することは、無意味でつまらないことだと言えます。
サーフィンも、釣りと非常に良く似ています。サーフィンは『波に乗ること』が目的ですが、道具の選び方1つで楽しみ方が大きく変わるからです。
極論を言えば『楽しく波に乗れたらそれでいい』のです。
もちろん、他のサーファーに危害を加えないことが大前提です。混雑しているサーフスポットで、フォイルサーフィン(板に鉄製のフィンがついた波乗り道具)をしている人のようになってはいけません。
ルールをしっかりと守れるのであれば、フィン選びもサーフボード選びも自由です。思う存分、安全にサーフィンを楽しみましょう。そして、最高に格好いいサーファーになってください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。