初心者の方が、サーフィン上達の途中で『新しいサーフボード』を買うことは、一つの通過点だと言えます。
ただ実際に次の板の購入を決める前に、考えるべきことがひとつあります。
それは、『今持っている板のことを本当に理解しているかどうか』です。
購入前に今一度、足を踏み留めて考えてみてください。
あなたが買おうとしている新しいサーフボードは、本当に正しい選択だと言えるのでしょうか?
特に気をつけるべきなのが、『今までよりも短かいサーフボード』を購入しようとしている初心者の方です。
どうして気をつけなければならないの?
『短かい板にすれば、できなかったことができるようになる』というのは、初心者が思い描く幻想に過ぎないからです。
短かいサーフボードにすることで得られる利点を活かせるのは、『中級者以上のサーファー』だけです。
初心者サーファーの方が、『板を短くしたい』と考える気持ちは十分に理解できます。ただし、なんとなく板を短くしたいだけなら、それは『ただの背伸び』にしかすぎないのです。
自分のサーフボードを上手い人に乗ってもらおう
『短いサーフボードに乗ればターンができる』と思っていませんか?
『もっと短い板だったらうまくできるはず』
『あの板だったらもっとターンができるはず』
『短かい板だったらあのセクションを抜けれたはず』
『この板でなければできるはずなんだ』
こんなふうに思っていませんか?
あなたの今現在使っているサーフボードでも、多くのことができます。
どうやったらそれが証明できる?
試しに、一番サーフィンがうまい友人に頼んで、自分のサーフボードに乗ってもらいましょう。
本当に上手い人であれば、あなたのサーフボードで驚くほどに『素敵なサーフィン』を見せてくれるはずです。
無理をせずに基本から学ぼう
教習所で車の免許を取ろうとしていた時を、思い出してみてください。自転車の乗り方を学んでいる時でもいいです。
あなたは車の基礎的な運転を学んで、免許を取ろうとしていたはずです。
そのときに、八の字ターンができないのを、車のせいにしたことがありますか?自転車に乗れないのを、あなたの持っている自転車のせいにしたでしょうか?
そんなことはきっとなかったはずです。
与えられた自転車や自動車で、『基本的なこと』をマスターしたのではないでしょうか?
それは、サーフィンにも当てはまることなのです。
どういうこと?
サーフィンの基本をないがしろにして、『上級者がしているターン』を目標にしてはいけません。
あなたがその板で最初に学ぶべきなのは、『基本的な波乗りの技術』です。
何が言いたいの?
教習所でまともなターンもできない初心者ドライバーが、いきなりサーキットに繰り出したらどうなりますか?
- 初心者が『短かい板』を選ぶ
それは若葉マークのドライバーがレーシングカーに乗って、『新記録を出したい』と言っているようなものです。
その散々な結果は、火を見るよりも明らかなのです。
新しい板を買う前にするべきこととは?
あなたが心がけるべきなのは、『いま持っているサーフボードの可能性を引き出すこと』です。
それができたあとにもう一度、『自分に適した新しいサーフボード』を考えてみてください。そうすることで、『正しいサーフボード』を手にする確率が大きく上がります。
【備考】今現在使っている板が極端に短かいと、『サーフボード』が原因で上達しない可能性があります。
その場合は、長めのサーフボードを購入することをオススメします。
まとめ
先日サーフィンを始めたばかりの友人が、『短かい板に乗りたい』と言っていました。
またまだテイクオフもできていない段階でです。
もちろん最終的には、どのサーフボードを選ぶかは本人の自由です。結果として遠回りになったとしても、『自分で決めたこと』と向き合うのも、サーフィンの魅力の1つだからです。
ただ、『あのときに違うボードを選んでおけば…』という後悔はするべきではありません。
どうして?
その理由は簡単で、その気付きを得るまでに多くの時間を費やすことになってしまうからです。
上達の階段は、一歩ずつしか登ることができません。
初心者の多くが、『初心者だと思われたくないから短かい板に乗りたい』と本気で思っています。
でもそれは、『本人だけが気にする些細なこと』なのです。周りにいるサーファーは誰も、『あなたが初心者であること』を気に留めていません。
初心者の頃に、『周りの目を気にしないいさぎよさ』がある人は、上達が他の人と比べて早いです。ただただ失敗を繰り返しながら、上達の階段を歩んでいけばいいのです。
あなたを笑った人がいたとしても、その人はあなたのことを来週には忘れてしまうはずです。
だから、思う存分サーフィンを楽しんでください。
まだ、短かい板の方が格好いいと思っていませんか?
サーファーのスタイルや格好よさは、『板の短さとは無関係』です。それだけはここで、断言させてください。